抵当権抹消登記申請書の書き方|1項目ずつ「どこから写すか」を実体験で解説
抵当権抹消登記申請書は解除証書と登記事項証明書から写すだけ。ひな形の入手先、登記の目的・原因・権利者・不動産の表示など7項目の書き方を、自分で手続きした47歳がつまずいた箇所とあわせて解説します。
抵当権抹消の手続きで、自分で作る書類はたった1枚——登記申請書です。ところが、この1枚が最初はまったく分かりません。「登記の目的」「権利者」「義務者」…見慣れない言葉が並びます。
わが家が47歳で住宅ローンを完済し、司法書士に頼まず自分で手続きしたとき、この申請書で何度も手が止まりました。この記事ではひな形の入手先から、1項目ずつ何をどこから写すのかを、つまずいた箇所も含めて整理します。
本記事は運営者個人の実体験と2026年8月時点の公開情報に基づく一般的な解説です。記載方法は物件の状況(根抵当権・相続・住所変更の有無など)によって異なります。実際の申請前に、必ず物件を管轄する法務局または司法書士にご確認ください。
まず結論:申請書は「2つの書類から写すだけ」
難しく見える申請書ですが、書く内容の出どころはたった2つです。
| 写す元 | その書類から取る情報 |
|---|---|
| ①抵当権解除証書(銀行から届く) | 原因の日付/義務者(銀行)の情報/抵当権の順位番号 |
| ②登記事項証明書(法務局で取得。もしくは購入時に入手していればそれを使用。わが家は家を購入時にこの書類を取得していたのでそれを使用しました) | 不動産の表示/権利者(自分)の登記上の住所・氏名/順位番号 |
ゼロから考えて書く欄はありません。この2枚を横に置いて、該当箇所を正確に写す作業です。そう分かった時点で、私の緊張はかなり解けました。
ひな形はどこで手に入る?(無料)
法務局のホームページに、記載例つきのひな形が無料で公開されています。Word形式なのでパソコンで入力でき、手書きより確実です。
探し方は、法務局サイト内の「不動産登記の申請書様式について」というページ。その中に「抵当権抹消登記申請書」の様式と記載例があります。
📎 不動産登記の申請書様式について(法務局)——ページ内の「3-1 抵当権抹消登記申請書」にWord・PDFの様式と記載例が並んでいます。手続き全体の案内は 住宅ローン等を完済した(法務局) をご覧ください。
探す手間を省けるよう、目的のファイルへの直リンクをまとめました。
| ほしいもの | ダウンロード |
|---|---|
| 申請書の様式(空欄のひな形) | Word/PDF |
| 記載例(記入見本・令和6年3月更新) | Word/PDF |
| マンションの方(敷地権付き区分建物用) | 様式 Word/記載例 Word |
| 必要な書類とその入手先等(法務省の解説資料) |
※リンク先が開かない場合は、様式が更新された可能性があります。その場合は 不動産登記の申請書様式について(法務局) の「3-1 抵当権抹消登記申請書」からお探しください。出典:法務局ウェブサイト
実はわが家がやったのは、これです。法務局の窓口に行き、無料の「登記相談」で職員さんに直接記載方法を教えてもらいました(予約制のことが多いので事前確認を)。
ネットで調べて悩むより、下書きを持って相談に行くほうが早く、確実でした。
1項目ずつ解説:何をどこから写すか
①登記の目的
書く内容:「抵当権抹消」と書きます。抹消する抵当権が複数ある場合は「抵当権抹消(順位番号後記のとおり)」といった書き方になります。
ここで注意:「根抵当権」の場合は「根抵当権抹消」と書きます。住宅ローンは通常の抵当権が多いですが、事業用や一部の借入では根抵当権のことがあります。銀行から届いた書類の名称を確認してください。
また、抹消する抵当権の「順位番号」(1番、2番など)を登記事項証明書で確認しておきます。
②原因
書く内容:「令和○年○月○日 解除」のように、日付+原因を書きます。
写す元:銀行から届いた抵当権解除証書(弁済証書)です。ここに書かれている日付と原因の文言をそのまま使います。
「自分がローンを払い終えた日」を書きたくなりますが、正しくは抵当権解除証書に記載された日付です。ここを自己判断で書くと差し戻しになります。原因も「解除」「弁済」など書類によって違うので、書いてあるとおりに写してください。
③権利者(=自分)
書く内容:不動産の所有者、つまりあなたの住所・氏名です。
写す元:登記事項証明書に記載されている住所・氏名。今の住民票ではありません。
登記簿上の住所や氏名が現在と違う場合、先に「住所変更登記」「氏名変更登記」が必要になります。抵当権抹消だけでは済まないので、登記事項証明書を取って必ず突き合わせてください。
これは自分では気づきにくい点なので、登記相談で確認するのが安全です。
④義務者(=銀行)
書く内容:抵当権者である金融機関の本店所在地・商号・代表者名です。
写す元:銀行から届いた委任状や抵当権解除証書に記載されています。
会社法人等番号を記載する欄がある様式もあります。これも銀行の書類に書かれているので、そのまま写します。わが家の場合住信SBI銀行から届いた書類には会社法人番号の記載がなく、法務局で教えてもらい記載しました。ネットで調べても複数出てきて何を書いたらいいのかわからなかったので、法務局で直接教えてもらいました。法務局の方も通常は銀行が書いてくれるんだどね。住信SBIは書かないんだよね。と言ってました。ただ、今思えば銀行に直接聞いてもよかったのではと思っております。
⑤添付情報
書く内容:「登記識別情報 登記原因証明情報 代理権限証明情報」のように、添付する書類の種類を並べて書きます。
難しく見えますが、これはひな形にあらかじめ印字されていることがほとんどです。自分の状況に合わせて過不足を確認するだけで済みます(登記済証の場合は表記が変わります)。
⑥不動産の表示——ここが最大の難所
書く内容:土地なら所在・地番・地目・地積、建物なら所在・家屋番号・種類・構造・床面積。
写す元:登記事項証明書。ここは一字一句、正確に写します。
いちばん多い間違いがこれです。普段使っている住所(住居表示)と、登記上の地番は別物です。「○○町1丁目2-3」ではなく「○○町字△△ 123番4」のような表記になります。
また、土地が複数に分かれている場合は全部書く必要があります。私道の持分がある物件では見落としがちです。
登記事項証明書に記載されている「不動産番号」を書けば、土地の所在・地番・地目・地積、建物の所在・家屋番号・種類・構造・床面積の記載を省略できます(不動産登記規則第34条第2項)。書き写す量が減り、写し間違いのリスクも下がります。
ただし物件の管轄登記所と申請先の登記所が異なる場合は、不動産番号と併せてその登記所の表示も記載する必要があります(同条第3項)。迷う場合は登記相談で確認してください。
⑦登録免許税
書く内容:「金2,000円」のように金額を記載します。
計算方法:不動産1個につき1,000円。土地1つ+建物1棟なら2,000円、土地が2つあれば3,000円です。
納付は収入印紙を購入して申請書に貼ります(法務局内や郵便局で買えます)。貼る位置や取り扱いに迷ったら、登記相談で確認してください。
提出前に確認する4つ
- ☐ 原因の日付は抵当権解除証書のとおりか(完済日を書いていないか)
- ☐ 権利者の住所・氏名は登記事項証明書と一致しているか(引っ越し・結婚は要注意)
- ☐ 不動産の表示は住所ではなく地番・家屋番号か。土地の筆をすべて書いたか
- ☐ 収入印紙は不動産の個数×1,000円で足りているか
わが家の進め方(結局これが一番早かった)
- 法務局で書き方を教えてもらう——自分の物件の正確な表示を確認
- ひな形に鉛筆で下書き——分からない欄は空欄のままでOK
- 登記相談で見てもらう——職員さんが空欄の埋め方まで教えてくれました(職員さんが下書きしてくれました!私はなぞるだけでした)
- 清書して収入印紙を貼り、提出
法務局に行ったのは2回(相談&提出+受取)、実費は数千円でした。「完璧な申請書を作ってから行く」のではなく、下書きを持って相談に行くのがコツです。
こんな場合は司法書士に頼む方が安全
- 登記識別情報・登記済証を紛失している(再発行不可で別手続きが必要)
- 登記簿の住所・氏名が今と違う(変更登記が先に必要)
- 相続が絡んでいる
- 完済から長期間が経ち、銀行が合併・商号変更している
まとめ
- 申請書は抵当権解除証書と登記事項証明書から写すだけ。ゼロから考える欄はない
- ひな形は法務局サイトで無料配布。窓口の登記相談(無料)が最も確実
- 原因の日付は抵当権解除証書のとおり——完済日ではない
- 不動産の表示は住所ではなく地番。不動産番号を使えば省略できる
- 登録免許税は不動産1個1,000円を収入印紙で納付
必要書類の全体像は「抵当権抹消の必要書類はこの4点だけ」、手続きの流れと「自分でやる vs 司法書士」の判断は「住宅ローン完済後の抵当権抹消を自分でやる方法」で解説しています。
公式情報リンク
手続きの詳細は、必ず法務局の公式情報でご確認ください。
- 住宅ローン等を完済した(法務局)——抵当権抹消の手続き案内
- 不動産登記の申請書様式について(法務局)——申請書のひな形・記載例
- 抵当権の登記の抹消手続のご案内(法務局)——申請の流れを図解した資料
出典:法務局ウェブサイト
※本記事は2026年8月時点の情報および運営者個人の実体験に基づく一般的な解説です。申請書の記載方法・必要書類・費用は、物件の状況や法改正によって異なる場合があります。実際の申請にあたっては、必ず物件を管轄する法務局または司法書士にご確認ください。
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