40代で初めての家購入:住宅ローンで気をつけるべき7つのポイント

40代で住宅購入を検討している方へ。定年までの返済計画、老後の生活費確保、健康リスクへの備えなどを詳しく解説します。
40代で初めて家を買おうとしている人から「若い人と違って何か気をつけることはありますか?」「もう40代だと住宅ローンは不利ですか?」とよく聞かれます。結論からいうと、40代の住宅購入には30代と違う7つの注意点があります。年齢的に不利ということはありませんが、知らずに進めると老後の家計を圧迫することになります。私自身、37歳(40代直前)で初めて家を買い、10年経った今だからこそ見える「失敗ポイント」と「やっておけばよかったこと」を整理しました。これから初めて家を買う40代の方が同じ失敗をしないよう、この記事でまとめます。
40代の家購入、若い人と何が違う?
40代で初めて家を購入しようとすると、こんな不安がよぎります。
・もう40代だと住宅ローンは組めないのでは?
・35年ローンを組むと完済が80歳になってしまう
・定年後も返済が続くのが怖い
・教育費と老後資金、ローンを同時に払えるのか
・健康診断で引っかかったら団信に入れない?
結論からいうと、40代でも住宅ローンは組めます。ただし「30代と同じ感覚で借りると老後が苦しくなる」のが最大の違いです。具体的には次の3点が30代と大きく異なります。
私も37歳で初めて家を買い、後悔したことがあります
偉そうに書いていますが、私自身、2016年に37歳で初めて家を買ったときは何も知りませんでした。当時の状況はこうです。
- 新築戸建てを4,400万円で購入
- 三菱UFJ銀行で変動金利・35年ローン
- 年収700万円台(当時)に対して借入4,400万円(年収比6.3倍)
- ライフプランは作らず、銀行に「借りられます」と言われたまま契約
- 共働きだから何とかなる、教育費もなんとかなる、と楽観視
35年で返すと完済は72歳。今思うと冷や汗が出るほど楽観的でした。当時の私は「借りられる額=返せる額」だと信じ込んでいたのです。
その後10年でいろいろ気づき、2024年3月(45歳のとき)に住信SBIネット銀行へ0.32%で借換を行い、繰り上げ返済を重ねて2026年3月に完済しました。今は47歳・妻49歳・長女13歳・長男8歳、教育費の山場をこれから迎えるところです。
「借りられる額」と「返せる額」は完全に別物です。銀行は年収から逆算して上限まで貸そうとしますが、その先には教育費・老後資金・親の介護費が待っています。40代で初めて買う人ほど、この感覚を最初から持っておく必要があります。
40代ならではの7つの注意点
私の失敗と、その後10年で学んだことを踏まえ、40代で初めて家を買う方に必ず確認してほしい7つのポイントをまとめます。
ポイント① ライフプランを作ってから借入額を決める
40代購入で最初にやるべきはライフプランの作成です。「何歳で完済するか」を逆算し、定年後の収支がマイナスにならないかを必ず試算します。私はこれを後回しにしたせいで、借入額の妥当性を判断する基準がありませんでした。
収入が大きく減る定年後にローンが残ると、老後生活費を取り崩しながら返済することになります。購入前に「退職後の返済原資」を明確にすることが40代購入の絶対条件です。
ポイント② 退職金・年金で定年後の返済計画を立てる
65歳以降の返済原資として想定されるのは主に年金と退職金・貯蓄です。それぞれの見込み額を事前に把握しておきましょう。
- 厚生年金の平均:月14〜16万円(夫婦合計で20〜25万円程度)
- ねんきんネットで受給見込み額を確認
- 住宅ローンの月返済額と比較し余裕があるか確認
- 退職時に残債を一括返済するプランも有効
- 「何歳・残高いくらの時点で退職金を充当するか」を設定
- 退職金は年々減額傾向。インフレで物価も上がるため当てにしすぎない
- 退職金を使い切らず老後生活費も残す計画にする
例:「65歳時点の残高が500万円以下なら退職金で完済する」というルールを借入時に決めておくと、繰り上げ返済と退職金活用の両立がしやすくなります。ただし可能なら退職金を当てにしない計画が理想です。貯蓄型保険は手数料が重く運用効率が悪いのでおすすめしません。資産形成はNISAの活用を検討してください。
ポイント③ 健康リスクに備えた団信を選ぶ
40代以降は健康リスクが高まり、団信(団体信用生命保険)の選択が30代より重要になります。健康診断で引っかかってからでは選択肢が狭くなるため、健康なうちに決めるのがベストです。
| 状況 | おすすめの団信 | 理由 |
|---|---|---|
| 健康で持病なし | がん団信または3大疾病 | 40代以降のがんリスク増加に対応 |
| 軽度の既往症あり | ワイド団信 | 通常の団信より健康基準が緩い |
| 持病が重い | フラット35(機構団信) | 健康状態の条件が最も柔軟 |
| 専業主婦(夫)の配偶者あり | 全疾病特約 | 万一の際の収入消失リスクが大きい |
告知書に虚偽の記載をすると、死亡時に保険金が支払われない可能性があります。持病がある場合はまず告知内容を確認し、必要であればワイド団信やフラット35を選択しましょう。
ポイント④ 借入額は年収の4〜5倍以内に抑える
40代の住宅ローンでは、30代より保守的な借入基準が重要です。老後資金・教育費・緊急費用とのバランスを考えましょう。私は当時年収の6.3倍を借りてしまい、後から繰り上げ返済で必死に圧縮することになりました。
- 借入額:年収の5〜7倍
- 月返済:手取りの25〜30%以内
- 返済負担率:35%以下(銀行基準)
- 借入額:年収の4〜5倍以内
- 月返済:手取りの20〜25%以内
- 老後資金・教育費も並行して確保できる額
我が家は本人850万・妻580万の共働きですが、共働きの最大のリスクは「どちらかが働けなくなったとき」です。世帯年収を合算して目一杯借りるのではなく、片方の収入だけでも返済が止まらない水準に抑えるのが安全です。
ポイント⑤ 変動か固定かを40代目線で選ぶ
金利タイプの選択は30代とは異なる視点が必要です。40代は返済期間が短い分、金利上昇の影響を受ける期間も限られます。ただしこれは「短期で返せる前提」のもとに成り立ちます。
- 金利水準が低く月返済を抑えられる
- 繰り上げ返済を積極的に行い残高を早く減らせば金利上昇リスクを軽減できる
- 共働きで余剰資金が多い家庭に向いている
- 返済額が変わらず定年後の収入減少期も計画しやすい
- 金利上昇リスクをゼロにして安心感を優先したい場合
- 片働きや収入が不安定な場合に向いている
返済期間を20〜25年に設定できれば、変動金利の上昇リスクにさらされる期間も短くなります。繰り上げ返済を組み合わせてさらに期間を縮める戦略が有効です。
ポイント⑥ 教育費・老後資金との両立計画を立てる
40代購入で最も見落とされがちなのが「教育費との衝突」です。子どもの教育費のピーク(中学〜大学)と住宅ローン返済が真正面からぶつかります。我が家も長女13歳・長男8歳で、これから教育費の山場を迎えるところです。
教育費(NISA+貯蓄で確保。大学までの年数によりNISAと貯蓄の割合を決める)を最優先で確保し、老後資金(NISA)で積み立て、余裕があれば住宅ローンの繰り上げ返済、という順が一般的に推奨されます。住宅ローンの金利が低い場合は、無理に繰り上げ返済するより資産運用を優先する選択肢もあります。
ポイント⑦ 繰り上げ返済で早期完済を目指す
40代購入の最大の課題「定年後の返済問題」を解決する最も有効な手段が繰り上げ返済です。少額でも継続すれば完済時期を大幅に早められます。私は2024年3月に住信SBIへ0.32%で借換した後、繰り上げ返済を重ねて2026年3月に完済できました。
【前提条件】借入4,000万円・金利1.5%・35年返済(月返済額:約122,500円)・ローン開始10年後(残高約3,060万円・残り25年)の時点で実施した場合の概算
▼ 一括繰り上げ返済(1回きり)の効果
| 一括金額 | 短縮できる期間 | 削減できる利息 |
|---|---|---|
| 50万円 | 約6ヶ月 | 約23万円 |
| 100万円 | 約1年 | 約43万円 |
| 200万円 | 約2年 | 約85万円 |
▼ 毎年継続した場合の効果(残り25年間、同額を毎年継続)
| 年間金額 | 短縮できる期間 | 削減できる利息 |
|---|---|---|
| 年50万円 | 約7年 | 約187万円 |
| 年100万円(賞与一括・年2回) | 約11年 | 約287万円 |
※継続することで効果が10倍以上になることがわかります。実際の効果はローン残高・金利・開始時期により異なります。
繰り上げ返済には「返済額軽減型」と「期間短縮型」の2種類があります。40代は定年前の完済を目指すため、毎月の返済額は変わらず完済時期が早まる「期間短縮型」を選ぶのが基本です。
各ポイントの具体的な判断基準
7つのポイントを「具体的にどう判断するか」を一覧で示します。迷ったときの基準としてご活用ください。
| 判断項目 | 具体的な基準 |
|---|---|
| 完済年齢 | 原則65歳まで。最大でも70歳まで |
| 借入額 | 世帯年収の4〜5倍以内(片方の収入だけでも返済継続可) |
| 月返済額 | 手取り月収の20〜25%以内 |
| 頭金 | 物件価格の1〜2割+諸費用は別途現金で |
| 団信 | 健康なうちにがん団信か3大疾病特約を付加 |
| 金利タイプ | 共働き・繰上げ前提なら変動/片働き・安定重視なら固定 |
| 緊急予備資金 | 生活費6〜12ヶ月分は購入後も手元に残す |
この記事はこんな人に読んでほしい
・40代で初めて家を買おうとしている人
・共働きで購入を検討している人(世帯年収で目一杯借りる前に読んでほしい)
・「銀行に借りられると言われた額」で買おうとしている人
・教育費・老後資金とローンの両立に不安がある人
逆に、すでに購入済みの方は「借換」「繰り上げ返済」の記事を参考にしてください。
まず「65歳完済」から逆算しよう
40代で初めて家を買う方が今日からできる最初の一歩は、「65歳完済」を前提に、今の年齢から逆算した最長返済期間と月返済額を計算することです。
- ① 今の年齢から65歳までの年数を計算(例:45歳なら20年が最長)
- ② その期間で返せる総額を試算(手取りの20〜25%×12ヶ月×年数)
- ③ その額が物件価格の何割か確認。足りない分は頭金 or 物件価格を下げる
たとえば45歳・手取り月45万円なら、月返済10万円×12ヶ月×20年=2,400万円が安全な借入上限の目安です。これ以上は教育費・老後資金を圧迫します。
- ① ライフプランを作成し何歳で完済するか試算し、定年後の返済期間を把握している
- ② ねんきんネットで年金見込み額を確認し、退職金で残債が返せるか試算している
- ③ がん団信・3大疾病特約など40代に合った団信を選んでいる
- ④ 借入額が年収の4〜5倍以内・月返済が手取りの25%以内に収まる
- ⑤ 変動・固定の金利タイプを40代の返済期間を踏まえて選んでいる
- ⑥ 教育費・老後資金とローン返済の3つを同時進行できる収支計画がある
- ⑦ 繰り上げ返済(期間短縮型)で定年前完済を目指す計画がある
※本記事は2026年5月時点の情報をもとに執筆しています。金利・制度は変更されることがあります。実際のローン契約にあたっては、各金融機関または専門家にご確認ください。
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