変動金利で借りた人が今すぐやるべき7つのこと

金利上昇局面で変動金利のローンを抱える方へ。今すぐ実行できる5つの対策を具体的に解説します。
2025年に入って、変動金利が次々と上がり始めました。「自分の住宅ローンも上がるの?」「上がったらいくら増えるの?」「何かしなきゃと思うけど、何から手をつければいいかわからない」――そう感じている方は多いと思います。
変動金利の上昇は、気づいた時には数年経っていた、というケースが珍しくありません。月返済額が125%ルールで据え置かれていても、内訳の元本部分が減り、後ろにツケが回されているだけです。「何もしない」は実は「リスクを先送りしている」のと同じです。
私自身、2024年3月に住信SBIネット銀行で0.32%で借り換えたあと、2025年1月に0.57%、2025年7月に0.82%と短期間で2回連続の引き上げを経験しました。「このまま1%、1.5%と上がっていったらどうしよう」という不安は、当事者として痛いほどわかります。
そして2026年3月、わが家はようやく住宅ローンを完済しました。完済までの2年間、金利が上がる中で「実際に何をやって、何が効いたのか」を、47歳・元・変動金利ユーザーの目線で全部書きます。
私も0.32%→0.82%の連続利上げで不安だった
「変動金利は怖い」と頭ではわかっていても、いざ自分のローンが上がり始めると、不安は想像以上です。私の場合はこんな流れでした。
住信SBIへ借換時
+0.25%の引き上げ
さらに+0.25%
残高約3,400万円のスタートでしたから、0.5%上がるだけで月返済額の利息部分は数千円〜1万円単位で増えていきます。「次の見直しでまた0.25%上がったら?」「1%を超えたら?」――シミュレーターを叩きながら何度も眠れない夜がありました。
結局わが家は、繰り上げ返済を加速し、2026年3月に完済しました。ただ、ここに至るまでに「やってよかった」と心から思える7つの行動があります。順番に紹介します。
解決策:今すぐやるべき7つのこと(全体像)
- 最新の適用金利を確認する
- 金利が上がったらいくら増えるか計算しておく
- 借り換えの検討。ただ、借り換える前にまず今の銀行に金利交渉をする
- 交渉が通らなければ他銀行への借り換えを検討する
- 固定金利への借り換えも選択肢に入れる
- 繰り上げ返済で残債を減らす
- 家計を見直して返済余力を作る
大事なのは「順番」です。いきなり借り換えや繰り上げ返済から入ると、判断材料が足りないまま動くことになります。①〜②で現状を把握し、③〜⑤で借入条件そのものを見直し、⑥〜⑦で家計と残債の体力をつける、という流れで進めてください。
①最新の適用金利を確認する
変動金利は通常年2回(4月・10月)に見直しがあります。借入時からどれだけ変化しているか、まず現状把握から始めましょう。
②金利が上がったらいくら増えるか計算しておく
現在の残高・残年数をもとに、金利が上昇した場合の月返済額を事前に計算しておきましょう。「最悪シナリオを知ること」で精神的な準備と対策が立てられます。
| 金利上昇幅 | 残高2,000万・残25年 | 残高3,000万・残25年 | 備考 |
|---|---|---|---|
| +0.5% | 月+約4,500円 | 月+約6,800円 | 日銀利上げ1〜2回分 |
| +1.0% | 月+約9,100円 | 月+約13,600円 | 現状から本格的な上昇局面 |
| +1.5% | 月+約13,900円 | 月+約20,900円 | 家計への打撃が大きくなる |
上記は一般的な概算です。各銀行のウェブサイトにあるローンシミュレーターに「現在の残高・残年数・金利」を入力すると、より正確な数字が出ます。
③借り換える前に、まず今の銀行に金利交渉をする
借り換えを検討する前に、まず現在の銀行への金利引き下げ交渉を試みましょう。交渉が通れば、借り換えの手間・コストをかけずに金利を下げられます。
住信SBIネット銀行で一次審査が通ったタイミングで、三菱UFJ銀行に「他行でこの金利で借り換えられるので、金利を下げていただけませんか?」と交渉しました。しかし三菱UFJはあっさり「金利は下げられないので、借り換えていただいて構いません」との回答。すぐに借り換えを進めました。
知人の場合は同様の交渉で金利引き下げに成功し、借り換えより安くなったケースもあります。まず交渉してみることが大切です。
④交渉が通らなければ他銀行への借り換えを検討する
金利交渉が断られた場合は、他銀行への借り換えを本格的に検討しましょう。
- 残債1,000万円以上ある
- 残年数10年以上ある
- 現在と借換え金利の差が1%以上
- 精神的な安心を重視したい
- 残債が少ない(500万円未満)
- 残年数が短い(10年未満)
- 金利差が小さい(0.3%未満)
- 諸費用を回収しきれない見込み
⑤固定金利への借り換えを検討する
「変動金利のまま借り換え」だけでなく、固定金利への切り替えも選択肢です。今後の金利上昇リスクを完全になくしたい方に向いています。
- 収入が不安定(時短・育休・自営業)
- 残年数が20年以上ある
- 返済額の変動に精神的なストレスを感じる
- 家計の余裕が少なく金利上昇に対応しにくい
- 収入が安定しており金利上昇に対応できる
- 残年数が短い(10年未満)
- 繰り上げ返済で残高を積極的に減らせる
- 現在の変動金利と固定金利の差が大きい
2026年時点でフラット35は1.8〜2.0%台。変動(0.8〜1.3%台)より高く、月々の返済額は増えます。「安心を買うコスト」として割り切れるかどうかで判断しましょう。
⑥繰り上げ返済で残債を減らす
金利が上昇する前に元本を減らしておくことで、将来の利息負担を小さくできます。繰り上げ返済は期間短縮型が利息削減効果が高くおすすめです。
- 毎月の返済額は変わらない
- 完済時期が早まる
- 総利息削減効果が大きい
- ✅ 利息削減目的におすすめ
- 返済期間は変わらない
- 毎月の返済額が下がる
- 月々の家計負担を下げたい時
- △ 利息削減効果は小さめ
手元の現金を全部繰り上げ返済に使うのは危険です。急な出費(病気・失業・設備故障)への対応力が失われます。まず生活費6ヶ月分の現金を確保してから繰り上げ返済を検討しましょう。
⑦家計を見直して返済余力を作る
金利上昇に備える最後の砦は「家計の体力」です。毎月の支出を見直して、返済額が増えても対応できる余力を作りましょう。
| 見直し項目 | 削減の目安 | ポイント |
|---|---|---|
| 通信費(スマホ) | 月3,000〜8,000円 | 格安SIMへの切り替えで即効果 |
| サブスクリプション | 月2,000〜5,000円 | 使っていないものの棚卸し |
| 保険料 | 月5,000〜15,000円 | 団信との重複確認・見直し |
| 電気・ガス | 月1,000〜3,000円 | プラン変更・新電力切り替え |
| 食費・外食費 | 月5,000〜15,000円 | 変動費として調整しやすい |
私たちの場合どうしたか
家計の見直しを一番先に着手しました。実際に取り組んだ内容と結果をまとめます。
| 見直し項目 | 結果 | コメント |
|---|---|---|
| スマホ(格安SIM切替) | 月+1万円以上改善 | 夫婦2人分まとめて切り替え |
| サブスク整理 | ほぼ変わらず | もともとほとんど加入していなかった |
| 保険の見直し | 月+2.3万円以上改善 | 医療・がん保険解約&収入保障保険見直し。公的保険+貯金で備える方針に転換。自動車保険、火災保険の見直し。 |
| 電気代(旧電力へ戻す) | 月+2,000円以上改善 | 新電力の価格が上昇したため元に戻した |
| 食費・外食費 | 月数千円改善 | コンビニ・自販機をやめスーパーで購入。食費は共働き&子供の成長期のため削りすぎない方針 |
固定費の見直しだけで月3.5万円以上の余力が生まれました。借入3,000万円で金利が0.5%上昇した場合の月増加額(約6,800〜7,800円)を十分カバーできる体力がつきました。この「家計の余力」があったからこそ、繰り上げ返済を加速でき、最終的に2026年3月の完済までたどり着けたと思っています。
絞り込み:この記事を特に読んでほしい人
- 変動金利で借りていて、残高1,000万円以上残っている人
- 2020〜2023年に超低金利(0.3〜0.5%台)で借り、これから金利見直しを迎える人
- 「何となく不安だけど、何から手をつけていいかわからない」と感じている人
- 残年数が15年以上残っており、今後の金利上昇の影響を長く受ける人
- 共働きで、家計の見直し余地がまだ残っている世帯
逆に、残債500万円未満で残年数も5年以内の方は、ここで紹介した借り換えや大規模な家計見直しよりも、「手元資金で一気に完済するか、淡々と払い切るか」のシンプルな判断になります。無理に7ステップ全部をやる必要はありません。
行動:今日、まず「適用金利の確認」だけやってください
ここまで読んで「やることが多くて頭が痛い」と感じた方も多いと思います。大丈夫です。今日やることは1つだけでいい。
インターネットバンキングにログインして、自分の住宅ローンの「現在の適用金利」と「残高」と「残年数」の3つだけ確認してメモしてください。所要時間5分。
この3つの数字さえあれば、次のシミュレーション(②)も、借り換え判断(③〜⑤)も、繰り上げ返済の試算(⑥)も、全部できます。逆に、この3つを把握していないまま動くと、「なんとなく不安」だけが大きくなって判断を誤ります。
私自身、2024年に借り換えを決断できたのは、毎月の返済予定表を見ながら「あと何年・残いくら・適用何%」を頭に入れていたからでした。完済から振り返っても、この「数字を握る」習慣がすべての出発点だったと感じています。
数字を確認できたら、次の休日に銀行のシミュレーターで「+0.5%」「+1.0%」のシナリオを計算し、その次の週末に借り換え候補銀行の事前審査を1〜2行申し込む――というペースで十分です。1ヶ月あれば、ここで紹介した7ステップの判断材料はほぼ揃います。
変動金利の上昇は、誰のせいでもなく、止められません。でも、「先に動いた人」と「何もしなかった人」の差は、5年後・10年後の手元資金で必ず開きます。まずは今日、適用金利の確認から始めてください。
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