ペアローン

年収600万・共働き夫婦のペアローン vs 単独ローン 比較シミュレーション

年収600万・共働き夫婦のペアローン vs 単独ローン 比較シミュレーション

年収600万円の共働き夫婦が、ペアローンと単独ローンのどちらを選ぶべきか、税制メリットや審査通過のポイントを含めて比較します。

2026年4月5日読了目安:約8分
#ペアローン#共働き#年収600万

共働き夫婦が住宅ローンを組むとき、必ず一度はぶつかる悩みがあります。「ペアローンにすべきか、それとも片方の単独ローンにすべきか」。借入可能額が大きく変わるうえに、税制優遇や団信、離婚や片方の収入減といった将来リスクまで絡んでくるため、判断が難しいテーマです。この記事では、年収合計600万円前後の共働き夫婦を想定して、ペアローンと単独ローンの違いを具体的なシミュレーションで比較します。

ペアローンと単独ローン、どちらが得か分からない

共働きで世帯年収がそれなりにあると、銀行から「ペアローンなら借入可能額が増えますよ」と提案されることが多くなります。住宅ローン控除も2人分使えると聞けば、確かに魅力的に見えます。

一方で、こんな不安がよぎる方も多いはずです。

  • もし妻が出産・育児で働けなくなったら返済はどうなるのか
  • 離婚した場合、ペアローンはどう処理されるのか
  • 団信は2本必要になるのか、保険料はどうなるのか
  • そもそも年収600万円前後の家庭でペアローンを組むメリットはあるのか

銀行側は「借りられる額」を提示してきますが、「無理なく返せる額」までは教えてくれません。ここを取り違えると、家計が長期にわたって苦しくなる可能性があります。

私たちも共働きで同じことで悩みました

47歳の私自身、購入時は共働き夫婦でした。当時の年収は私が850万円、妻が580万円で世帯年収は1,400万円ほど。銀行員からは当然のようにペアローンを勧められ、借入可能額の試算表を何枚も渡されました。

正直に言えば、ペアローンを組めば「あと数百万円分、いい家が買える」という誘惑は強かったです。

それでも私たちが最終的に選んだのは私の単独ローンでした。理由はシンプルで、妻が出産で一時的に収入が止まる可能性があったこと、そして「片方の収入だけで返済できる金額に抑える」という基準を最後まで譲らなかったからです。結果として2026年3月にローンを完済しましたが、途中で妻が時短勤務になった時期もあり、あのとき単独で組んでおいて本当に良かったと感じています。

ペアローン vs 単独ローン、何がどう違うのか

まず、ペアローンと収入合算(連帯保証型・連帯債務型)は別物です。ここでは「ペアローン=夫婦それぞれが債務者として別々のローンを組む形」として整理します。

ペアローンの特徴

  • 夫婦それぞれが債務者となり、ローンが2本立てになる
  • 住宅ローン控除は夫婦それぞれが受けられる
  • 団体信用生命保険も2本加入(片方が亡くなった場合、その人の分のローンのみ完済される)
  • 事務手数料・登記費用などの諸費用も2本分かかる傾向がある

単独ローンの特徴

  • 債務者は1人。借入可能額はその人の年収に依存する
  • 住宅ローン控除は債務者1人分のみ
  • 団信は1本。亡くなれば住宅ローンは全額完済される
  • もう一方の配偶者が働けなくなっても、ローンには直接影響しない

年収600万円世帯のシミュレーション比較

ここでは、夫年収350万円・妻年収250万円(世帯合計600万円)、35年返済・金利1.0%(全期間固定型を想定)というモデルケースで比較してみます。あくまで一般的な目安です。

借入可能額と月々返済の比較(年収600万円世帯) 2,500万円 4,000万円 借入可能額 ■ 単独 ■ ペア 7.0万円 11.2万円 月々の返済額 ■ 単独 ■ ペア
借りられる額は増えるが、毎月の返済も1.6倍になる

ケース1:単独ローン(夫350万円)

  • 借入可能額の目安:約2,500万円前後(返済負担率25%ベース)
  • 毎月返済額の目安:約7.0万円
  • 住宅ローン控除:夫1人分のみ
  • 妻の収入は生活費・教育費・繰上返済原資に回せる

ケース2:ペアローン(夫2,500万円+妻1,500万円=計4,000万円)

  • 借入可能額の目安:合計約4,000万円
  • 毎月返済額の目安:夫約7.0万円+妻約4.2万円=約11.2万円
  • 住宅ローン控除:夫婦2人分使える
  • 団信2本、諸費用も2本分
👤 単独ローン
  • 借入可能額:約2,500万円
  • 月々返済:約7.0万円
  • 住宅ローン控除:1人分
  • 団信:1本(全額完済される)
  • 片方の収入減:影響小
  • 離婚時:比較的シンプル
👫 ペアローン
  • 借入可能額:約4,000万円
  • 月々返済:約11.2万円
  • 住宅ローン控除:2人分
  • 団信:2本(本人分のみ完済)
  • 片方の収入減:影響大
  • 離婚時:複雑(共有・連帯)

比較表

項目単独ローンペアローン
借入可能額約2,500万円約4,000万円
月々返済約7.0万円約11.2万円
住宅ローン控除1人分2人分
団信1本2本
諸費用1本分2本分
片方の収入減リスク影響小影響大
離婚時の処理比較的シンプル複雑(共有名義・連帯)

メリット・デメリットと将来リスクの整理

ペアローンのメリット

  • 借入可能額が増え、希望物件の選択肢が広がる
  • 住宅ローン控除を2人分使えるため、所得税・住民税の還付額が増えやすい
  • 2人で家を「共同で買った」という意識が持てる

ペアローンのデメリット・リスク

  • 片方の収入が減った瞬間、家計の返済負担率が急上昇する
  • 団信は債務者本人にしか効かないため、たとえば妻が亡くなった場合、夫のローンはそのまま残る
  • 離婚時に売却・名義変更が難航しやすい(金融機関の同意が必要)
  • 諸費用や保証料が2本分かかり、初期コストが膨らみがち

特に注意したい「片方の収入減リスク」

年収600万円世帯でペアローンを組み、月々11万円の返済を組んだとします。妻が出産・育児で1年〜数年間収入が大きく下がった場合、夫の手取りだけで月11万円の返済を続けることになります。額面350万円の夫の手取りは月23万円前後なので、返済比率は48%。これは生活がかなり厳しくなる水準です。

ペアローンの月返済
11万円
夫婦2人で返す前提
妻の収入が止まると
48%
夫の手取りに対する返済比率

この記事は「年収合計600万円前後の共働き夫婦」に向けて書いています

世帯年収が1,000万円を超え、片方が辞めても十分余裕がある家庭であれば、ペアローンの恩恵はそれなりに大きいかもしれません。しかし、世帯年収600万円前後で、これから出産・育児・教育費といったライフイベントが控えている夫婦の場合、ペアローンは「借りすぎ」につながりやすい構造です。

私たち夫婦は世帯年収1,400万円でも単独ローンを選びました。理由は繰り返しますが、「片方の収入がゼロになっても返済が続けられる家計」を最優先にしたからです。年収600万円世帯であれば、なおさら慎重に判断したほうが安全です。

今日やってほしいシミュレーション

結論を出す前に、ぜひ今日、紙とスマホの電卓で次の試算をしてみてください。

  1. 銀行から提示された「ペアローンでの月々返済額」を書き出す
  2. そこから妻(または収入の少ない側)の返済分を差し引く
  3. 夫(または収入の多い側)の手取り月収から、その「全額返済額」を引いてみる
  4. 残った金額で、食費・光熱費・教育費・保険・通信費・予備費を本当にまかなえるかを確認する

このシミュレーションで「残額がマイナス、もしくはギリギリ」となったら、その借入額は単独ローンとしては無理がある、というサインです。借入額を下げるか、頭金を増やすか、物件価格そのものを見直す方向で検討したほうが、長期的な家計の安心につながります。

ペアローンか単独ローンか、という二択の前に、「片方の収入だけで返せる金額はいくらか」をまず決める。これが共働き夫婦の住宅ローンで失敗しないための、いちばん大事な順番です。

※ 本記事の情報は執筆時点のものです。金利・制度は変更されることがあります。実際のローン契約にあたっては、各金融機関または専門家にご確認ください。
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