金利が0.5%上がったらどうなる?返済額への影響を計算してみた

変動金利が0.5%上昇した場合の毎月返済額・総返済額への影響を、借入額別・返済期間別に詳しく計算します。
「金利が上がった」と聞いても、自分の返済額がいくら増えるかわからない
ニュースで「日銀が利上げ」「変動金利が上昇」と聞くたびに、漠然とした不安だけが積み重なっていく。でも、いざ自分の住宅ローンの返済額がいくら増えるのかと聞かれると、具体的な数字が出てこない。そんな方は多いのではないでしょうか。
「たった0.5%の変化」と侮るなかれ。住宅ローンは借入期間が長く元本が大きいため、金利の小さな変化でも総返済額に数百万円単位の差が生じます。
金利上昇に備える第一歩は、自分の借入額・残年数で「いくら増えるか」を具体的な数字に変えることです。漠然とした不安を、行動できる数字に置き換えましょう。
私も0.32%→0.82%まで上がり、返済額が増える恐怖を味わいました
偉そうにシミュレーションを語る前に、私自身の経験を正直にお話しします。私は2024年3月に住信SBIへ0.32%という低金利で借り換えたばかりだったのですが、その後わずか1年半で金利が0.82%まで上昇しました。
毎月の返済予定表を見るたびに「また上がっている」と胃が痛くなる感覚は、経験した人にしかわかりません。ニュースの数字が、自分の家計の数字に変わる瞬間です。
借り換えた当初は「これでしばらくは安心」と思っていました。ところが2025年に入ってから立て続けに金利が上がり、当初想定していた返済計画が崩れていきました。「低いから大丈夫」は、もう通用しない時代に入ったと痛感しています。
借入額・金利上昇幅別の具体的シミュレーション
不安を数字に変えましょう。まずは「自分の借入額なら、金利が0.5%上がるといくら増えるのか」を確認します。
金利0.5%→1.0%の変化(返済期間35年)で借入額別にシミュレーションすると以下の通りです。
| 借入額 | 金利0.5%の月返済 | 金利1.0%の月返済 | 月額増加 | 35年総額増加 |
|---|---|---|---|---|
| 2,000万円 | 約52,000円 | 約56,500円 | +約4,500円 | +約190万円 |
| 3,000万円 | 約78,000円 | 約85,000円 | +約6,800円 | +約286万円 |
| 4,000万円 | 約104,000円 | 約113,000円 | +約9,100円 | +約381万円 |
| 5,000万円 | 約130,000円 | 約141,000円 | +約11,400円 | +約477万円 |
変動金利は確かに魅力的ですが、将来の金利上昇リスクを織り込んだ上で判断することが大切です。「最悪いくら増えるか」を把握してから選択しましょう。
【早見表】金利上昇時の月々返済増加額
現在の借入残高と残り返済期間から、金利が上昇した場合の月々の負担増を確認できます。(現在の変動金利:約0.82%想定)
| ⚠️ +0.5%上昇した場合(0.82%→1.32%)の月々増加額 | ||||||
|---|---|---|---|---|---|---|
| 借入残高 | 残り10年 | 残り15年 | 残り20年 | 残り25年 | 残り30年 | 残り35年 |
| 1,000万円 | +2,170円 | +2,210円 | +2,240円 | +2,280円 | +2,310円 | +2,350円 |
| 1,500万円 | +3,260円 | +3,310円 | +3,360円 | +3,410円 | +3,470円 | +3,520円 |
| 2,000万円 | +4,350円 | +4,410円 | +4,480円 | +4,550円 | +4,620円 | +4,690円 |
| 2,500万円 | +5,440円 | +5,520円 | +5,600円 | +5,690円 | +5,780円 | +5,870円 |
| 3,000万円 | +6,520円 | +6,620円 | +6,720円 | +6,830円 | +6,930円 | +7,040円 |
| 3,500万円 | +7,610円 | +7,720円 | +7,840円 | +7,960円 | +8,090円 | +8,210円 |
| 4,000万円 | +8,700円 | +8,820円 | +8,960円 | +9,100円 | +9,240円 | +9,390円 |
| 5,000万円 | +10,870円 | +11,030円 | +11,200円 | +11,380円 | +11,560円 | +11,730円 |
| 🔴 +1.0%上昇した場合(0.82%→1.82%)の月々増加額 | ||||||
|---|---|---|---|---|---|---|
| 借入残高 | 残り10年 | 残り15年 | 残り20年 | 残り25年 | 残り30年 | 残り35年 |
| 1,000万円 | +4,380円 | +4,460円 | +4,550円 | +4,640円 | +4,720円 | +4,810円 |
| 1,500万円 | +6,580円 | +6,700円 | +6,820円 | +6,950円 | +7,090円 | +7,220円 |
| 2,000万円 | +8,770円 | +8,930円 | +9,100円 | +9,270円 | +9,450円 | +9,630円 |
| 2,500万円 | +10,960円 | +11,160円 | +11,370円 | +11,590円 | +11,810円 | +12,030円 |
| 3,000万円 | +13,150円 | +13,390円 | +13,650円 | +13,910円 | +14,170円 | +14,440円 |
| 3,500万円 | +15,350円 | +15,620円 | +15,920円 | +16,230円 | +16,540円 | +16,840円 |
| 4,000万円 | +17,540円 | +17,860円 | +18,200円 | +18,550円 | +18,900円 | +19,250円 |
| 5,000万円 | +21,920円 | +22,320円 | +22,750円 | +23,180円 | +23,620円 | +24,060円 |
※ 元利均等返済。変動金利の場合、実際の返済額変更は5年ルールにより5年ごとに適用されます。
0.5%・1.0%・1.5%上昇のパターン別比較
「0.5%なら何とかなりそう」と思った方こそ、もう一段先のシナリオまで見ておきましょう。金利は0.5%で止まる保証はありません。
- 金利が変動しても返済額の変更は5年ごと
- 金利上昇しても5年間は毎月の支払額が変わらない
- ただし利息分が増え、元本の減りが遅くなる
- 返済額の増加上限は前回比125%まで
- 急激な増加を抑える効果
- 超過分は元本に上乗せ(負債が増える)
5年ルール・125%ルールで抑えられた分は、最終的に返済期間の延長や残高の増加として現れます。「返済額が増えないから安心」ではなく、裏でリスクが蓄積していることを理解しておきましょう。なお、これらのルールがない銀行(ネット銀行など)では金利変動が即座に返済額に反映されます。
借入3,000万円・35年で金利が0.5%→2.0%に上昇すると、月返済額は約21,500円増加、総返済額は約903万円増加します。これを「ありえないシナリオ」と切り捨てず、備えとして把握しておきましょう。
特に「残高2,000万円以上・変動金利」で借りている人は今すぐ確認を
金利上昇の影響を最も強く受けるのは、以下に当てはまる方です。
- 住宅ローン残高が2,000万円以上ある
- 変動金利で借りている(または固定期間が間もなく終了する)
- 残返済期間が20年以上ある
- 借り入れ時から金利の見直しをしていない
- 毎月の家計に余裕資金が3万円未満しかない
私たちの場合はどうしたか
参考までに、我が家のローン履歴を紹介します。2016年に三菱UFJで借り入れ、2024年に住信SBIへ借り換え、2026年3月に完済しました。
| 時期 | 適用金利 | できごと |
|---|---|---|
| 2016年 | 0.40% | 三菱UFJで4,400万円借入(固定3年) |
| 〜2024年 | 0.60% | 固定期間終了後、変動に移行 |
| 2024年3月 | 0.32% | 住信SBIへ3,400万円借換 |
| 2025年1月 | 0.57% | 金利上昇開始 |
| 2025年7月 | 0.82% | さらに上昇 |
| 2026年3月 | 完済 | 繰り上げ返済で完済 |
インフレの加速・さらなる金利上昇・返済の苦しさが見えていたため、繰り上げ返済に踏み切りました。妻は投資より貯蓄派で、妻の収入は銀行口座で貯蓄していました。「このまま貯蓄を続けるより一括返済の方が得」と夫婦で話し合い、決断しました。
NISAに全額投資して15年以上運用後に全額返済という選択肢も考えていました。ただ、私たちは投資のリスクより、確実なローン返済を選びました。
今日のうちに、自分の残高と適用金利を確認してシミュレーションしてみる
記事を読んだだけでは、家計は1円も変わりません。今日のうちに以下のステップを実行してみてください。所要時間は30分ほどです。
- 手元の生活費6ヶ月分の現金は確保する(これを削って繰り上げ返済しない)
- 余剰資金で繰り上げ返済をして元本を減らす(金利上昇の影響を小さくする)
- 固定費を見直して月1〜2万円の返済余力バッファーを作る
- 金利が1%以上上昇した場合は固定金利への借り換えも再検討する
金利は待ってくれません。今日30分の確認作業が、将来の数百万円を守ることにつながります。スマホのカレンダーに「今夜21時:住宅ローン残高確認」と入れて、必ず実行してください。
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