団信

団信の選び方:がん団信・3大疾病・全疾病を実質金利込みで比較

団信の選び方:がん団信・3大疾病・全疾病を実質金利込みで比較

住宅ローンの団体信用生命保険(団信)の種類と選び方を解説。がん団信・3大疾病・全疾病を実質金利ベースで比較します。

2026年3月15日読了目安:約8分
#団信#がん団信#保険

団信、どれを選べばいいか分からない

住宅ローンを組むとき、ほぼ全員がぶつかる壁があります。それが団信(団体信用生命保険)の選択です。

「がん団信」「3大疾病特約」「全疾病特約」――商品名は聞いたことがあっても、何がどう違うのか、金利上乗せに見合うのか、自分にとって本当に必要なのか、判断材料がそろわないまま「とりあえず勧められたもの」を選んでしまう方が多いのが実情です。

⚠️ 団信は契約後に変更できない
団信は住宅ローン契約と同時に加入する保険です。途中で「やっぱり手厚いものに」「やっぱり外したい」と思っても、原則として変更できません。最初の選択が30年以上続く重い意思決定です。

私も借換時に団信選びで迷った

私は2016年に三菱UFJで4,400万円・変動金利で住宅ローンを組み、2026年3月に完済しました。途中で借換も検討したのですが、そのときに一番悩んだのが団信の選択です。

当時37歳。「がん団信は+0%、3大疾病は+0.2%、全疾病は+0.3%」と提示されましたが、表面上の上乗せ幅だけ見ても「高いのか安いのか」全く判断できませんでした。

最終的に私が判断できたのは、「実質金利」で比較するという考え方にたどり着いたからです。団信の上乗せ分を金利に足し合わせて、「保障付きの実質金利は何%か」で見ると、初めて他の選択肢と比較できるようになりました。

💡 同じ悩みを持つ方へ
団信選びは「保険」と「ローン」が交差する判断で、銀行員もFPも片側しか語らないことが多いです。この記事では実質金利での比較と、年齢・家族構成での判断軸をまとめます。

団信の種類と保障内容

団信は大きく4種類です。保障範囲が広いほど金利上乗せが増えます。

種類対象となる事由金利上乗せ目安向いている人
通常団信死亡・高度障害0%(無料)若い・健康・既存保険が手厚い
がん団信(50%)+がん診断(残高50%完済)+0.1%がんリスクのみ備えたい
がん団信(100%)+がん診断(残高100%完済)+0.1〜0.2%40代以降・がんリスクを重視
3大疾病特約+急性心筋梗塞・脳卒中+0.2〜0.3%男性・40〜50代
全疾病特約+就業不能状態が継続+0.3〜0.4%専業主婦(夫)がいる・一馬力世帯
通常団信の上乗せ
0
多くの銀行で金利に含まれる
がん団信の上乗せ
+0.1〜0.2%
残高3000万なら年3〜6万円
全疾病特約の上乗せ
+0.3〜0.4%
最も手厚い保障
⚠️ 「がん診断」の定義は商品によって異なる
「上皮内がん(初期がん)」を対象に含むかどうかは銀行・保険会社で異なります。申し込む前に必ず約款の「保障対象となるがん」の範囲を確認しましょう。

実質金利込みでの比較表

変動金利0.4%を前提に、団信ごとの実質金利を並べると違いが見えてきます。

団信タイプ変動金利上乗せ実質金利残高3000万の年間負担増
通常団信0.4%+0%0.4%0円
がん団信50%0.4%+0.1%0.5%約3万円
がん団信100%0.4%+0.2%0.6%約6万円
3大疾病特約0.4%+0.3%0.7%約9万円
全疾病特約0.4%+0.4%0.8%約12万円
🏦 通常団信のみ
  • 変動金利:0.4%
  • 実質金利:0.4%
  • 保障:死亡・高度障害のみ
  • 30年総コスト増:0円
🛡️ 全疾病特約付き
  • 変動金利:0.4%
  • 実質金利:0.8%
  • 保障:幅広い疾病・就業不能
  • 30年総コスト増:最大約180万円

全疾病特約付きの実質0.8%は、フラット35(固定1.8〜2.0%程度)より低いです。ただし、変動金利の低さの恩恵は半減することを意識しておく必要があります。

年齢別のコスト感と判断軸

同じ団信でも、年齢と借入残高でコスト感は大きく変わります。

年齢・残高がん団信(+0.2%)の30年コスト全疾病(+0.4%)の30年コスト
30代・残高3,000万約90万円約180万円
40代・残高3,500万約105万円約210万円
50代・残高2,500万(20年)約50万円約100万円
1
年齢・家族構成を確認する 40代以降でがんリスクが高まる。専業主婦(夫)がいる一馬力世帯は収入消失リスクが大きいため手厚い団信が合理的。
2
既存の生命保険・医療保険を棚卸しする 団信と既存保険のカバー範囲が重なる場合は既存保険を減額。重複カバーはトータルで損になることも。
3
金利上乗せコストを総額で計算する 「+0.2%」だけでは判断できない。残高×期間で「総額いくら払うか」に換算してから保障内容と見合うか判断する。
📋 団信選び チェックリスト
  • 配偶者が専業主婦(夫)または収入が少ない → がん団信以上を検討
  • 40代以降でローン期間が長い → がん団信は特に有効
  • 既存のがん保険・就業不能保険がない → 全疾病特約も検討
  • 共働きで互いの収入が代替できる → 通常団信+掛け捨て生命保険で十分な場合も
  • 既存保険と合わせてトータルコストを最適化する

これからローンを組む人・借換を検討する人へ

この記事は、これから住宅ローンを組む方、または借換を検討していて団信を見直したい方に向けて書きました。

団信は「保険」と「ローン金利」が同じ商品に乗っているため、銀行員は金利の話だけ、保険のFPは保障の話だけ、と片側しか説明してくれません。判断は契約者自身がするしかありません。

💡 すでに住宅ローンを組んでいる方も
借換で団信を選び直すことは可能です。「最初によく考えずに選んだ」という方は、借換の見積もりを取るタイミングで団信も再検討してみてください。

今日できる行動:自分のコストを計算する

記事を読んで終わりにせず、次のステップを今日のうちに進めましょう。

1
自分の年齢・借入残高・残期間を書き出す 例:42歳・残高3,200万円・残25年。これが団信コスト計算の前提になる。
2
団信の上乗せ%を「総額」に換算する 残高×上乗せ%×残期間で概算が出る。例:3,200万×0.2%×25年=160万円。
3
既存の保険と照らし合わせる 生命保険・がん保険・就業不能保険の保障内容と保険料を一覧化。団信と重複しているなら見直す。

私たちはどうしたか

当時は共働きで子どもが3歳のタイミングでローンを組みました。結論から言うと、通常団信にしました。ただ、当時団信に金利上乗せなしでがん団信と同じ保障が含まれていました。その団信と収入保障保険(掛け捨て)で十分だったのですが、⚪︎⚪︎の窓口で勧められるままに複数の保険に加入してしまいました。

加入した保険今の評価結末
終身医療保険△ 不要だったと判断後に解約
収入保障保険(掛け捨て)✅ 必要な保険継続。ただし最適な保険に乗り換え
一時金保険(死亡時30万円×3ヶ月)❌ 全く不要解約
がん保険❌ 感情で加入(同僚のがん罹患が影響)解約

【図解】団信タイプ別の年間費用比較(残高2,000万円の場合)

「上乗せ%」の数字ではなく、実際の年間コストで見ると選択しやすくなります。

通常団信(+0%) 年間0円
保障:死亡・高度障害のみ
がん団信50%(+0.1%) 年間約2万円
2万円
保障:死亡・高度障害 + がん(50%完済)
がん団信100%(+0.2%) 年間約4万円
4万円
保障:死亡・高度障害 + がん(100%完済)
3大疾病特約(+0.3%) 年間約6万円
6万円
保障:死亡・高度障害 + がん + 急性心筋梗塞・脳卒中
全疾病特約(+0.4%) 年間約8万円
8万円
保障:死亡・高度障害 + がん + 3大疾病 + 就業不能状態

※ 借入残高2,000万円の場合の年間概算コスト。実際は銀行・商品により異なります。

【フロー】あなたに合う団信はどれ?

スタート:住宅ローンを検討中
Q1. 既存の生命保険・がん保険は手厚い?
はい(保険が手厚い)
通常団信で十分
無駄なコストを省ける
いいえ(保険が薄い)
→ Q2へ進む
Q2. 家族に専業主婦(夫)がいる or 一馬力世帯?
はい
全疾病特約を検討
就業不能リスクが高い
いいえ(共働き)
→ Q3へ進む
Q3. 現在40歳以上 or がんが気になる?
はい
がん団信100%
年4万円で安心を買う
30代・コスト重視
がん団信50%
年2万円で最低限の備え

※ これはあくまで判断の参考です。保険は個人の健康状態・家族構成・既存保険によって最適解が異なります。

私が実際にやったこと:保険の棚卸しと団信の選択

ここからは「一般論」ではなく、私が37歳でローンを組んだときに実際に直面したことを話します。

見直す前:⚪︎⚪︎の窓口で言われるまま入った保険が4本あった

2016年に三菱UFJで住宅ローンを組んだとき、保険も見直そうと思い⚪︎⚪︎の窓口に行き(今思えば地獄への窓口)、担当者から「せっかくだからこれも」と立て続けに保険を勧められました。自分たちの儲けだけを考えて進められた保険、当時の私には断る知識がなく、結果的に以下の4本に入っていました。

  • 一時金保険(3ヶ月だけ一定の額が支払われる保険):約3,000円/月
  • 収入保障保険:約3,000円/月
  • 終身医療保険(入院・手術保障):約11,000円/月
  • がん保険:約3,000円/月

合計で月に約2万円近く。年間24万円近くが保険料として出ていきました。

「なんとなく安心のために」が月2万円の無駄になっていた
支払いに慣れてしまって、長らくそのままにしていました。7年で168万円近く払っていた計算になります。自分の無知と惰性が悔やまれます。

見直しのきっかけ:公的保険で何がカバーされるか調べた

転機になったのは、当時投資に興味を持ち本やYoutubeなど片っ端に調べていたときに見たYoutubeが機かっけでした。「まず公的保険の健康保険・雇用保険でどこまでカバーされるか確認してください」と言われ、初めてまともに調べました。

調べてわかったことは、意外と手厚いということです。

  • 入院・治療費 → 高額療養費制度及び付加給付金制度で月の自己負担に上限がある。付加給付金制度(所属している健康保険組合による):1回の支払い上限2.5万円
  • 病気・ケガで働けない → 傷病手当金で最長1年半・給与の2/3が出る
  • 死亡・障害 → 遺族年金・障害年金で家族の生活が一定程度守られる
  • 失業 → 雇用保険で一定期間の給付がある

これを確認したあと、「では自分に本当に必要な保険は何か?」という視点で4本を見直しました。

最終的な結論:収入保障保険の1本だけ残して解約

我が家は共働きで、万一私が働けなくなっても妻の収入がある。公的保険でかなりの部分がカバーされる。それを確認したうえで、以下のように整理しました。

保険の種類 判断 理由
一時金保険(死亡時30万円×3ヶ月) 解約 遺族年金+妻の収入でカバーできると判断。そもそも不要だった
収入保障保険 継続 長期間働けなくなった場合の生活費補填。公的保険だけでは足りない部分を補う
終身医療保険(入院・手術保障) 解約 高額療養費制度と付加給付金制度で大半をカバー。月1.1万円の割に保障が薄い
がん保険 解約 感情で加入していたと気づく。がん治療費は高額療養費で対応可能
月約2万円 → 約3,000円/月に
収入保障保険1本に絞ったことで、月々の保険料が大幅に下がりました。節約できた分を繰り上げ返済とNISAに回しました。

団信の選択にも同じ考え方を使った

「既存の保険で何がカバーされているか確認してから、足りない部分だけを保険で補う」――この考え方は、団信選びにもそのまま使えます。

私の場合は共働きで保険も入っていたので、がん団信(+0%)を選択しました。当初借りていた三菱UFJはがん団信は金利の上乗せなく入れたので。その後借り換えを行った住信SBIは保険を見直した後でしたが、通常の団信にしました。。死亡・障害は遺族年金と妻の収入でカバーし、がんリスクもがんで支払う額を調べ貯蓄だけでカバーできることを知り、不要と判断しました。全疾病特約(+0.4%)は魅力的でしたが、一馬力世帯ではないので「費用対効果が合わない」と判断しました。

💡 まとめ:団信を選ぶ前にやること
① 健康保険・雇用保険・遺族年金でカバーされる範囲を確認する
② 既存の生命保険・がん保険の内容を整理する
③ 「公的保障+既存保険で足りない部分」だけを団信で補う
これをやるだけで、上乗せ幅の判断がずっとしやすくなります。
※ 本記事の情報は執筆時点のものです。金利・制度は変更されることがあります。実際のローン契約にあたっては、各金融機関または専門家にご確認ください。
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