家計管理

住宅ローン返済中に教育費1000万円をどう貯める?40代共働き夫婦の実践プラン

子ども1人に1000万円以上かかる教育費。住宅ローンを抱えながらどう準備する?学資保険とNISAを数字で徹底比較し、40代共働き夫婦の実践プランをお伝えします。

2026年4月29日読了目安:12分
#教育費#学資保険#NISA#家計管理#40代

はじめに:住宅ローンと教育費、二重の重圧をどう乗り越えるか

「家を買ったはいいけど、子どもの教育費(塾代、大学費用等)が心配」

わが家でも数年前、まったく同じ悩みを抱えていました。住宅ローンの返済は月々10万円超。そこに「教育費1,000万円」という数字が頭をよぎると、正直、手が止まってしまいました。

住宅ローン返済(月)
10万円超
毎月の固定出費
子ども1人の教育費総額
1,000万円〜
幼児〜大学卒業まで
子ども2人の場合
2,000万円超
わが家のケース

でも実際に家計を整理し、順序立てて動き出したら、思ったよりも「道」はありました。この記事では、40代共働き夫婦が住宅ローン返済と並行して教育費を準備するための、具体的な金額と実践プランをお伝えします。

教育費は本当に「1000万円」かかるのか?まず「総額」を把握する

漠然と「1000万円」という数字を聞くと怖くなりますが、まずは実態を整理しましょう。文部科学省の調査(2024年度版)をベースにすると、子ども1人あたりの教育費の目安はおよそ以下のとおりです。

進路 幼稚園〜高校(公立) 大学(私立文系) 合計目安
オール公立+私立大文系 約540万円 約430万円 約970万円
中学から私立+私立大理系 約830万円 約550万円 約1380万円

「1000万円」はオール公立でもほぼ到達する数字です。中学・高校を私立にすると1300万円を超える場合もあります。さらに大学で遠方に進学して家賃・生活費が加わると、さらに増えます。

ポイントは、この費用が18年間に分散して発生するということ。一度に1000万円を用意する必要はありません。ただし、大学入学時に一気に200〜300万円が必要になる点は要注意です。

住宅ローン返済中の家計、教育費に回せる金額は?

40代共働き夫婦の平均的な家計モデルで確認してみましょう。

【モデルケース】
世帯年収:800万円(夫450万円・妻350万円)/手取り月収:約52万円
住宅ローン返済額:月8.1万円(変動0.7%・借入3000万円・35年・元利均等)
その他固定費(保険・通信・車など):月10万円/生活費:月15万円/NISA積立:月3万円

収支は 52万円 − 8.1万円 − 10万円 − 15万円 − 3万円 = 残り約15.9万円。ここから教育費積立・外食・旅行・特別出費を賄うことになります。では月3万円の積立で、大学入学までにどれだけ貯まるか試算してみます。

子どもの年齢 残り年数 月3万円積立の元本
6歳(小1)のとき開始 12年 432万円
10歳(小4)のとき開始 8年 288万円
13歳(中1)のとき開始 5年 180万円

これだけでは大学4年間の費用(私立文系で学費のみ約430万円)には届きません。だからこそ、「積立の手段」と「運用の仕方」が重要になってきます。

学資保険 vs NISA、正直どっちがいい?数字で比べてみた

「返戻率」のカラクリを知ってほしい

学資保険のパンフレットで必ず目にする「返戻率○○%」という数字。「115%ってお得そう!」と思いませんか?でも実はこれ、かなり地味な数字です。

返戻率115%というのは、「18年かけて払い込んだお金が1.15倍になって戻ってくる」ということ。これを年率換算すると約1%以下になります。現在最高クラスとされる明治安田生命「つみたて学資」の返戻率は129.2%ですが、それでも年率換算で1〜1.5%程度。2026年に日本生命が予定利率を1.00%に引き上げ、業界では「高利率!」と話題になりましたが…それでも年1%です。

30年以上前の学資保険は予定利率5〜6%台もざらにあり、確かに「育てながら増やせる商品」でした。でも今の学資保険は別物。ほぼ"貯金の代わり"に近い位置づけと理解しておいてください。

月1万円・15年間で積み立てたら、いくらになる?

同じ月1万円を15年間(元本合計180万円)積み立てた場合の比較です。

積み立て先 想定年率 15年後の受取額 利益
定期預金 0.1% 約181万円 +約1.3万円
学資保険 0.7% 約190万円 +約9.7万円
インデックス投資(NISA) 5% 約267万円 +約87万円

※インデックス投資の5%は全世界株式・S&P500連動型の過去の長期実績をもとにした想定値です。将来の運用成果を保証するものではありません。

学資保険と定期預金の差はわずか9万円ほど。一方、インデックス投資とは約77万円もの差が生まれます。NISAなら運用益は非課税なので、87万円の利益がそのまま手元に残ります。「月1万円の差が77万円に育つ」——これが複利と時間の力です。

それでも学資保険が向いているケースは正直ある

  • 「元本割れが絶対に嫌」という方:投資には価格変動リスクがあります。絶対に減らしたくない方には、元本保証(途中解約を除く)は安心材料になります。
  • 5年以内に大学進学を控えている方:投資は短期だと損失リスクが高まります。「あと5年で使う」タイミングでのスタートは危険です。
  • 万一の死亡保障が不足している方:学資保険には契約者(親)が亡くなった場合に以後の保険料が免除される機能があります。生命保険が薄い方には一定の意味があります。

わが家の結論:NISAをメイン&貯金で、学資保険は不要

上の子(大学まで8年)は、学資保険には入らず、親のNISAで全世界株式インデックスファンドを積み立て。残り3〜4年になったら一部を現金化する予定です。下の子(大学まで15年)は、インデックス投資一本で攻めています。

期間別のおすすめ:

  • 5年以内に使う → 普通預金・定期預金で確実に守る
  • 8〜14年ある → 普通預金+インデックス投資の併用
  • 15年以上ある → インデックス投資を軸に。時間が最大の武器

40代からでも間に合う!教育費積立の3ステップ

1
教育費の「締め切り」を明確にする 大学入学のタイミングに合わせて逆算。子どもが10歳なら8年後が締め切り。8年後に300万円準備したいなら、元本のみで月約3.1万円、NISAで年4%運用想定なら月約2.5万円(※運用は保証なし)。
2
NISAの「使い分け」を決める 教育費目的はつみたて投資枠(年120万円)で積立型投資信託を選ぶ。全世界株式インデックスファンド(通称オルカン)は信託報酬が低く長期運用に向いている。ただし元本割れリスクあり。
3
「教育費口座」を分けて管理する 住宅ローン口座・老後資金口座・教育費口座を別々に管理するのが鉄則。自動振替で毎月先取り積立を設定することで「残ったお金で生活する」習慣が自然につく。
💡 「先取り積立」の自動化が最重要
給与が入ったら自動で教育費口座へ振替される仕組みを作ることで、「月末に余った分を貯蓄する」という失敗パターンを防げます。

住宅ローン・NISA・教育費、3つを同時に回すコツ

「全部やろうとすると破綻する」と思われがちですが、優先順位をつければ同時進行できます。

📊 わが家の優先順位
  • ①住宅ローン返済(固定費・最優先)
  • ②教育費の積立(締め切りが明確)
  • ③老後向けNISA(少額でも継続)
💡 NISAの使い分け例
  • つみたて投資枠の月3万円のうち:
  • 2万円 → 老後向け
  • 1万円 → 教育費向け
  • 目的別に口座・配分を分けて管理
💡 繰り上げ返済は「合理的かより夫婦で納得できるか」
住宅ローン金利が0.7%程度なら、数字的には繰り上げ返済よりNISA積立の方が合理的な場合があります。ただし、わが家は妻のリスク許容度を考慮して繰り上げ返済を優先しました。「合理的かどうか」より「夫婦で納得できるか」が長続きする家計管理の鍵です。

まとめ:「漠然とした不安」を「具体的な数字」に変えよう

教育費の不安の本質は、「いくら必要か」「いつまでに必要か」が曖昧なことから来ています。まずやるべきことは4つです。

1
子どもの進路をざっくり想定して必要額の目安を出す 全額公立か私立か。大学進学するか。ざっくり600〜1,500万円の範囲でまず試算する。
2
大学入学の年齢から逆算して月の積立額を計算する 「締め切り」を決めることで漠然とした不安が「月〇万円積み立てれば間に合う」という具体的な目標に変わる。
3
NISAを活用しながら教育費専用口座で先取り積立を始める 住宅ローン返済中でも月2〜3万円の積立と運用を組み合わせれば十分間に合わせられる。今日から始めることが大切。
4
ライフプランを立てて全体のお金の流れを把握する 教育費・住宅ローン・老後資金を一枚のライフプラン表に落とし込む。「完璧なプラン」より「今日から始めること」が重要。
💡 FP相談を活用するなら独立系FPへ
  • 重要な判断は信頼できるFP(ファイナンシャルプランナー)に相談する
  • 住宅メーカーや保険会社所属のFP相談は避ける(商品販売が目的の場合がある)
  • FP3級の取得もおすすめ(ライフプラン・住宅ローン・投資・老後計画の基礎が学べる)

※本記事の金利・返済額はあくまで参考値です。実際のローン条件や投資成果は異なります。過去の運用実績は将来のリターンを保証するものではありません。

※ 本記事の情報は執筆時点のものです。金利・制度は変更されることがあります。実際のローン契約にあたっては、各金融機関または専門家にご確認ください。
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